宮城県は仙台市青葉区、愛子に本社を構える菓子製造・販売業者。
昭和24年に雑貨屋として開業した店舗が、昭和29年より菓子作りに専念し、昭和33年からは商品を“支倉焼”一本に絞り、営業している。
慶事用の特大サイズや文字を浮かび上がらせた商品もあり、インターネット販売もしている。
支倉焼
甘味 ★★★★★
塩味 ★
酸味 ★
苦味 ★★
食感 ★★★★★
100点
この菓子一本で勝負する店が提供する仙台銘菓。
時は江戸、仙台藩主・伊達政宗の命を受け、スペイン領国との通商交渉にあたった支倉常長の偉業を讃え、その名を商品に添えている。
丸型の焼き物は表面に商品名を浮かび上がらせ、中にはくるみを混ぜ込んだ白餡がぎっしりと詰まっている。
生地は乾きめで非常に脆く、香ばしさの中にほんのりと苦味を、そしてフレッシュバターを用いた澄んだ甘さと優しいコクが吹き抜けていく。
白餡はしっとりと、そして重厚で沈み込む様な歯応えで、乾いた生地と唾液とが入り混じれば、それはそれはオノマトペで表現しづらい素敵な弾力が生まれる。
くるみの軽やかな味わいや独特の甘さが濃厚な白餡と合わさり、実に落ち着きながらも超絶な甘味に酔い痴れていく。
皮は洋、餡は和、和洋折衷の風味がかの偉人の激動を、400年経った今に生き繋いでいる。