『ふじやま』の“味玉追いサバ節そば”

『ふじやま』の詳細は以下の記事を参照↓

https://gurunabb.hatenablog.com/entry/2021/12/01/100000

味玉追いサバ節そば

麺  ★★★★★

ス  ★★★★★

肉  ★★★★★

玉  ★★★★★

他  ★★★★

95点

券売機には「濃厚」と書かれた文字、提供直前にサバ節を加えたというメニュー。

受け口の広い器に濁ったスープのいかにも濃厚そうな景色が広がる。

麺は細め丸型のストレート、加水率低めで全粒粉入りの麺は表面がもちもちで歯を立てればパツパツ、弾力と断絶の小気味良い食感と風味は実に素敵。

スープは鶏ダシに煮干、そして濃いめの醤油ダレを合わせたほんのり緩め、追いサバ節も加わった脂多めのまろやかな口当たりで、煮干の力強さと共に軽やかな鶏の風味が劇的な旨味を演出している。

具はチャーシュー、黒バラ海苔、葱、そして追加された味玉。

チャーシューはレアな生ハム仕様、鮮やかなピンクとスープに浸かった褐色とのグラデーション、薄くスライスされて2枚、しっとりした舌触りからむっちりとした噛み応え、柔らか過ぎるくらい柔らかく、塩味もしっかりと効いてまさに生ハムを食べている様な贅沢感が溢れる。

黒バラ海苔は始めは乾燥しているがスープにふやかされてまったりと、食感の変化を楽しみながら磯の風味も堪能。

葱は粗微塵切りの玉葱と輪切りの長葱の2種、玉葱は辛味も残しながらスープの余熱で徐々に甘味も見え出し、長葱は見た目と青味で鮮烈さと爽やかさをプラス。

味玉は丸々1個入り、茶褐色の塊を割ってみると目を疑う様な濃い橙、白身というか茶身は少し締まってプリプリ、黄身は絶妙な半熟具合でドロリとなめらか、香りから少し燻製されたかの様な香ばしさと風味が立ち込め、味わいも塩味の濃いカエシが染み込み、絶品にほど近い。

個人的には煮干はそこまで得意ではないのだが、全項目でハイクオリティ、しかし中盤からやはり煮干や脂の重みを感じたため、卓上の酢などで変化を加えても良いか。