全国高校ラグビー 決勝20210109 京都成章vs桐蔭学園
第100回を迎える通称・花園、最多参加63校の頂点に立つのは、初の決勝進出を果たした京都成章と連覇を目論む桐蔭学園のどちらか。
襲いかかる複数タックルによる鉄壁DFから、“ピラニア軍団”の異名を持つ京都成章が、ロースコアに持ち込んでチャンスを物にするか。
それとも精度と質の高さから攻守・セットプレーで着実に優位に立ち、優勝経験者も多く揃える桐蔭学園か。
序盤はファーストプレーで桐蔭学園にオフサイド、早々と京都成章がPGを決めるが、“ピラニア軍団”らしく出足が素早いDF、ラインブレイクを許さない堅い守り、ブレイクダウンへの寄りの速さが王者の余裕を奪う。
しかし桐蔭学園もFWのキーマンである5番・8番を中心にDFの僅かな綻びをついてじわじわとゲインを図り、またスクラムでのプッシュやブレイクダウンでのノット・リリース・ザ・ボール、ターンオーバーなどで徐々に主導権を握っていく。
互いに1トライ1ゴール1PGと、前半は見応えのある攻防で10vs10で折り返すが、次第にラインブレイクやターンオーバーで桐蔭学園がボールキープ、エリア奪取率で上回っていた。
後半は桐蔭学園のギアが上がり、ハンドリングエラーが重なった精度は改善され、集中力が増してボールへの反応が速くなる。
ターンオーバーされた直後のルーズボールに反応して再びターンオーバー、早々と勝ち越しトライを奪うと、その後もキーマンの5番が度重なるボールキャリーでラインブレイク、そしてラストパスからトライを重ねる。
BKも11番と15番に1年生を置くが上級生顔負けのハンドリングとランスキルを見せ、中盤にはBK・FW一体となった見事なまでのオフロードパスの連続で自陣から攻め上がり、ダメ押しのトライを挙げた。
京都成章も再三チャンスを掴み、ターンオーバーやトリプルライン、DFの速さはATにも応用されて素早く多彩な攻撃をみせるが、王者の鉄壁のDFが行手を阻む。
190cmを超える4番をフィニッシャーに置くが、なかなかラストパスが繋がらないものの、ラストに一矢報いるトライを挙げる。
最後も京都成章の猛攻を桐蔭学園がターンオーバーから外に蹴り出し、15vs32で2年連続、通算3度目の優勝を果たした。
かくして、第100回大会の幕は降りる。
決勝戦しかフルマッチで観ていないが、大学生に引けを取らないサイズとスピード、そして戦術、ラグビー界の底上げが感じられた。
ここ花園の舞台から大学でのスター、そしてジャパンを背負う逸材が産まれることを願っている。