ぐるなBB

宮城県在住であるBBの主観が渦巻く日常観察バラエティ

ラグビーワールドカップ2019『20190921 フランス対アルゼンチン』

世界ランク8位のフランスと11位のアルゼンチン。

過去ワールドカップ3度の準優勝を誇るフランスだが、前回大会は王者ニュージーランドに完膚無きまでに叩かれ、その後のテストマッチでは日本と引き分けた時もあり、ホームにも関わらず大ブーイングが起こった時もあった。

一方、アルゼンチンは前回大会4位、南半球3ヶ国で争っていた『ザ・ラグビー・チャンピオンシップ』にも加入し、さらに日本と同様に南半球リーグである『スーパーラグビー』に“ジャガーズ”というほぼアルゼンチン代表として加入し、2018-19年は準優勝という結果を残し、確実に力をつけてきた。

 

かつては“シャンパンラグビー”と称されてシャンパンの泡の様に無数のフォローが湧いて出てくるフランス代表「レ・ブルー」、新たな戦力としての若手とベテランを融合させ、スピード感溢れる攻撃で魅せる。

アルゼンチン代表“ロス・プーマス”は力強いフィジカルとベテランによるテクニックを駆使し、『スーパーラグビー』で強敵に揉まれた経験を糧に、柔軟なラグビーを展開してくる。

両国ともテストマッチでの敗戦が響いて世界ランクはこの位置だが、実力としては拮抗しており、過去のワールドカップでの対戦ではアルゼンチンに軍配が上がっており、また優勝候補・イングランドも含まれる死のプールCにおいて、決勝トーナメント進出を占う大熱戦になる事は必至であった。

 

試合は予想通りというより、予想以上に白熱した展開であった。

両チームとも巧みなハンドリング、次のプレーを予測しての判断、サポート、ブレイクダウンでの鬩ぎ合い、安定感のあるセットプレー、キックの精度、どれも前日の開幕戦が霞んでしまう、まさにラグビー強国“ティア1”と呼ぶに相応しいプレーの連続。

前半はフランスが20-3と大量リードで折り返し、フランスの瞬時の判断やスピード、テクニックが勝り、アルゼンチンも随所にパワフルなランを魅せるが、フランスが意地をみせている。

 

しかし後半、アルゼンチンはラインアウトからのモールで主導権を握り、2トライを返して20-15、勢いが止まらないアルゼンチンは強烈な突進でフランスの反則を誘い、さらにPKを2本決めてついに20-21と逆転する。

ところがその直後、代わったばかりの22番によるドロップゴールというビッグプレーが炸裂し、23-21と再逆転したフランスが主導権を渡さない。

 

試合終盤、追加点を狙うフランスはPKを外して流れはアルゼンチンに傾き、敵陣10mライン左側でPKを得たアルゼンチンは逆転のショットを選択するが、それも外してしまう。

ラストワンプレーでボールはアルゼンチン、センターライン付近での攻防が続くが、最後はフランスがターンオーバーからボールを奪取し、スタンドに蹴り込んでノーサイドとなった。

 

先に述べたが、全てがハイレベルなのである。

ハイパントは壮絶な奪い合いであるし、スクラムでは意地と意地がぶつかり合い、相手を欺くためにボールキャリアーが様々な選択肢を見せつけ、最善のプレーをチョイスしていく。

圧巻だったのはフランス9番がポップされたボールをそのままキックして裏にパントを挙げたシーン、唖然としてしまった。

これが見たかった、これがワールドカップなのだ。

 

予選プールはまだ始まったばかり、アルゼンチンの逆襲も有り得るだろう。

アツイ試合がこの先も続くと思うと、1ヶ月半ワクワクしっぱなしである。