全国大学ラグビー選手権 20200102 準決勝 早稲田対天理
全国大学ラグビー選手権の準決勝、毎年1月2日に行われるのが通例である。
第一試合は対抗戦リーグを明治に敗れた2位で通過した早稲田と、関西リーグを全勝、4連覇を果たした天理が対戦。
秩父宮は晴天、大勢の観客の元で、エンジと漆黒のジャージが入り乱れる。
前半は序盤、天理が4人の留学生を用いてボールを早稲田陣地へと運ぶ。
特に2020年サンウルブズメンバーに選ばれている、13番・フィフィタが猛烈な突進を見せ、さらには強力FWがスクラムで優勢に立ち、ペナルティを得ていく。
しかし、勿体ないハンドリングエラーが目立ち、流れを早稲田に奪われてしまう。
対する早稲田は自陣ゴール前のスクラムでコラプシングを奪い、そこから9番・齋藤、10番・岸岡が的確な判断で攻撃オプションを構築する。
怪我から3ヶ月ぶりに復帰した12番・中野が一次攻撃の起点となり、さらには12番らしからぬ大柄な体を用いたループプレイやオフロードパスが華麗に決まり、ランスキルが際立つ15番・河瀬や11番・古賀が2人で3本のトライを挙げ、天理を突き放していく。
9番・齋藤は難しい角度のコンバージョンキックを3本全て決め、21点のリードを得た。
天理は終盤、15番・江本のキックカウンターで早稲田DF網を掻い潜り、10番・松永も巧みなパスとランでゲインを図っていく。
敵陣深くまで攻め込むと、最後は12番・市川がアングルをつけて切り込み、1トライを返した。
前半終了間際にも10番・松永、13番・フィフィタのコンビネーションでトライチャンスに迫るが、最後は持ち込んだ9番を早稲田DFがチョーク、モールアンプレアブルでプレーを切り、前半は21対7で折り返した。
後半、巻き返しを図りたい天理はマイボールキックオフから競り合いを演じるも、やはりハンドリングエラーが重なってしまう。
留学生の1人8番・ケレビはキックやラインアウトでボールが手につかず、6番・岡山キャプテンはノックオンが3度もあった。
前半優勢であったスクラムも早稲田に押され始め、セットピースでもフィールドプレーでも早稲田に流れが傾き始める。
後半最初のトライは早稲田で、1番・久保が巧みなロングパスからBKのゲインを演出し、最後は10番・岸岡のパス回しからDFラインの隙に駆け込んだ久保が、DF2人を巻き込みながらトライラインに飛び込んだ。
その後天理が力強い前進で早稲田陣に攻め入り、最後は13番・フィフィタが相手を寄せ付けずにトライを奪い、35対14と食らいつく。
しかし、すぐさま早稲田は相手のノックオンで得たスクラムからダイレクトフッキングで8番・丸尾が駆け上がり、9番・齋藤がオープンサイドに視線を移した直後、ブラインドに走り込んだ6番・相良にパス、点差をさらに広げた。
早稲田はその後メンバーを変えるも、安定しない天理のラインアウトを好機と得て、10番・岸岡は着実にスタンドまで届くキックを蹴り、FWが奪い返す、という形で前進を図る。
敵陣ゴール前からのラインアウトからはモールでFWが、また右隅ではアウトサイドセンターに入った14番・桑山のバックフラップのオフロードパスから23番・梅津が、そして最後はコンテストキックから溢れたボールを15番・河瀬が奪取し、10番・岸岡がDFをいなして8本目のトライを挙げた。
結局52対14、大差をつけて早稲田が決勝へと駒を進めた。
早稲田は復帰した12番・中野が攻撃の起点となり、敵を引きつけながら味方を活かすプレーが目立ち、前半の主役となった。
後半はFWがセットピースを攻略し、フィールドプレーで天理を蹂躙し、流れを掴んだ後はBKがフィールドを広く使い、効果的に得点を挙げた。
決勝では未定の相手とどの様なゲームを展開するか、楽しみである。