ぐるなBB

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ラグビーワールドカップ2019『20191027準決勝 ウェールズ対南アフリカ』

準決勝2試合目は2019の6ネーションズを全勝で突破したヨーロッパチャンピオンのウェールズと、南半球4ヶ国で行われるザ・ラグビー・チャンピオンシップ2019で初の王者に輝いた南アフリカの対決となった。

ウェールズは予選でオーストラリアを辛くも下し、さらに準々決勝では予選から勢いに乗ったフランスと対戦、フランスがレッドカードで1人少ない中、最後に逆転して20対19とスリリングな試合を物にした。

南アフリカは予選でニュージーランドに敗れるも、残り3試合を圧倒、予選最多トライと最少被トライで乗り切り、準々決勝では『宿敵』である日本を26対3と圧倒、「ブライトン・ナイトメア」から完全に覚醒した。

 

ウェールズは外側展開とハイボールへの対応を得意とし、9番・Gデービスや10番・ダンビガーから多角的に攻撃を行い、11番・アダムスは今大会5トライ、精度の高いキックから効果的に得点を重ねていく。

南アフリカは高いフィジカルから攻撃的なDFと安定したFW力を誇り、ラインアウトは1度も奪われておらず、低いスクラムは日本のお家芸とも呼べるほど強力、両WTBは11番・マピンピが5トライ、そしてコルビも4トライと決定力の高さ、10番・ポラードのキックも脅威だ。

しかし、ウェールズはスリーバックスのリアムウィリアムスを怪我で欠き、代役にはベテランのハーフペニー、南アフリカも“ポケットロケット”の異名を持つコルビも足の負傷で欠場、代役にンコシを立て、総力戦となりそうであった。

 

試合はウェールズが早い外展開を仕掛けようとするが、南アフリカのFWがブレイクダウンで執拗にプレッシャーをかけ、9番・Gデービスは自由に球を捌けず、結果的にウェールズは外展開を防がれ、もう一つの武器、ハイボールに賭ける事となる。

南アフリカは強力FWと12番・デアレンディが縦突進から前進を試み、9番・デクラークや10番・ポラードがスペースにキックを蹴り込み、壮大な陣取り合戦に対抗してきた。

互いに目立ったミスもなく、敵陣で得たペナルティキックをダンビガーもポラードも外さず、前半は6対9で折り返すが、セットプレーの安定感、攻撃の前進が有効だった南アフリカがやや優勢に見えた。

 

後半も同様にキックの応戦となるが、ウェールズはマピンピやンコシを警戒して外側を埋め、南アフリカはプレッシャーを少ない内側を攻めるが、逆にウェールズは内側のプレッシャーが速い南アフリカDFに対してギャップが生まれやすい合間を内返しで突き、好機を窺う。

そんな中、ポラードが内側を切り裂いてゲインラインを突破、崩れたところを12番・デアレンディが突進、ハンドオフで弾き飛ばした勢いそのままに初トライを挙げた。

しかし直後、敵陣で得たペナルティからゴールを狙わずにラインアウトを選択、敵陣ゴール前で10フェーズ以上の怒涛の近場アタックでさらに得たペナルティからスクラムを宣言、余った左サイドを13番・Jデービスから11番・アダムスへ繋ぎ、ゴールラインに飛び込み、難しい角度からのキックをハーフペニーが決め、16対16と追いついた。

 

拮抗した試合展開となったが、74分頃にウェールズが痛いペナルティ、ポラードがしっかり決め込んで16対19、そのまま試合終了となった。

互いに譲らず1トライずつ、最後までキックの応酬という展開となり、どちらに転んでもおかしくない状況だったが、最後やはりFWによるセットピースの安定感から南アフリカに部があったのだろう。

そして最後までキックを決め切ったポラードがプレーヤーオブザマッチに選ばれ、アダムスは6トライと今大会ランキングトップに踊り出るが、ウェールズ初優勝の夢は潰えた。

 

これで決勝はイングランド南アフリカ、3位決定戦はニュージーランドウェールズとなり、どちらも北半球対南半球の構図となった。

完璧に近いDFを誇るイングランドか、攻撃的DFを繰り広げる南アフリカか、はたまた3位決定戦は失意のニュージーランドか意地を見せるウェールズか。

ワールドカップも残り2試合、最後まで盛り上がって行きたいとこら。