『お茶の井ケ田 喜久水庵』の“小豆 水ようかん”
小豆 水ようかん
甘味 ★★★★
塩味 ★
酸味 ★
苦味 ★
食感 ★★★
85点
小豆入りの水ようかん。
輝かしい光沢の奥に眠る小豆の暗赤色、瑞々しさと艶かしさが欲を駆り立てる。
ようかんはぷるぷるながらまったりとした重厚な口当たり、やや舌や口に残る感じは気になるが、濃厚加減は伺える。
小豆はゴロゴロとした口当たりと柔らかなほぐれ具合、ほのかな苦味を醸し出しながら、上質でコクのある甘味がようかん全体から滲み出ている。
口溶けが想像と異なって少し混乱するが、味わいは納得である。
『お茶の井ケ田 喜久水庵』の“黒豆羹”
黒豆羹
甘味 ★★★
塩味 ★
酸味
苦味 ★★
食感 ★★★★
80点
黒豆をぎっしり底に詰め込んでゼリーに仕立てられる。
羊羹の様な重厚な質感を想像するも、実際は夏に頂く様なぷるんとした瑞々しい口当たり、そして大ぶりな黒豆のゴロゴロ感と潰された歯応えとの食感コントラストがまた乙。
黒豆のやや苦味が光りながら、黒糖の様な深みのある甘塩っぱさがゼリーにも移ろい、コク深い落ち着いた甘さを奏でている。
大黒豆を潰す時がやや躊躇するものの、そこは大胆に噛み潰して和の旨味を堪能したい。
『お茶の井ケ田 喜久水庵』の“栗かのこ”
栗かのこ
甘味 ★★★★
塩味
酸味
苦味 ★★
食感 ★★★★
85点
栗と小豆のマッチングをゼリーで頂く。
瑞々しいゼリーの底に小豆がゴロゴロ、そしてその中に一欠片ほど栗の身が覗かれる。
ぷるんぷるんと弾かれる生地はシロップの澄んだ優しい甘さ、そして爽やかなコクが香る。
小豆は硬くもあるが噛めばホロリと崩れる柔らかさ、皮の苦味や渋みを僅かに携えながら、深みの甘さが染み渡る。
栗の身はほっくりと優しく砕かれては、素朴でかつ優雅な独特の甘味と風味を弾けさせ、一気にワンランク上の味わいに変化させる。
くずもちの弾力も良いが、こちらも『涼』といった感じで食べやすい。
『お茶の井ケ田 喜久水庵』の“小豆くずもち 抹茶”
小豆くずもち 抹茶
甘味 ★★★★
塩味
酸味 ★
苦味 ★★
食感 ★★★★★
95点
抹茶くずもちの底に小豆を敷き詰めた菓子。
表面は露が垂れるほどの瑞々しさ、表面はぷるぷるで強い弾力、スプーンを入れるとブリンッとようやく断ち切れる。
底まで掬えば小豆の粒がゴロゴロと、口に含むとぷりんぷりんの歯触り舌触り、小豆の潰れる歯応えとの食感の対比が口の中で踊る。
抹茶の風味はほとんど感知できないが、済んだ綺麗な甘味とパワフルな旨味が広がり、小豆の凝縮された様な甘味とほろ苦さが、噛み砕いた途端に弾けていく。
こちらのくずもちもとても良い。
『お茶の井ケ田 喜久水庵』の“抹茶 水ようかん”
抹茶 水ようかん
甘味 ★★
塩味 ★
酸味 ★★
苦味 ★★★
食感 ★★
65点
抹茶風味の水ようかん。
丁重な包装を開けると光沢のある深緑色が現れる。
スプーンを入れると、イメージした水ようかんの瑞々しさとは少し異なり、むっちりとした弾力が指で感じる。
舌触りはなめらか、歯や上顎で押し込める様な重厚な食感で、喉奥へもったりと流れていく。
抹茶の渋さや酸味が深いコクと共に重なり、甘味は控えめで落ち着いた味わいが全体に立ち込める。
抹茶の鮮烈な香りもほどほどに、やや口に残る質感が苦手な人も多そうな印象で、個人的にはあまりオススメしない一品。
『お茶の井ケ田 喜久水庵』の“くずもち 抹茶”
くずもち 抹茶
甘味 ★★★★
塩味
酸味 ★
苦味 ★★
食感 ★★★★
90点
笹舟に浮かべられたくずもちを抹茶風味で頂く。
くずもちの下にはきな粉が敷かれており、せっかくなので皿に移してからきな粉を振り掛けて食してみる。
スプーンで掬うも、ぷるぷるのもちもちでなかなか切れてくれず、それだけ粘りと瑞々しさを保有しているということか。
くずもち単体ではほんのり甘味と抹茶の様な苦味が訪れるものの、少しえぐみの様な臭みが香り、それだけではオススメしない。
そこできな粉、粒は大きめながら舐めると非常に甘く、苦味もほどほどにくずもちに絶妙な甘味を付与してくれる。
きなこを全体に纏ったくずもちはコロコロとしており、口に含めばもっちり感の奥から深みのある味わいを堪能できる。
きな粉が溢れない様に頂きたい。